あっという間に年が明けて、1月末になってしまいました。
今日は節分の日を間近に控えて、子供達に読み聞かせをしたい絵本のご紹介です。
『せつぶんのおに』 文:常光徹 絵:伊藤秀男
節分について
節分は立春の前日で季節の変わり目にあたります。
また、元旦と立春は共に新年ととらえられていて、その前日になる大晦日と節分は年越しの日であるとされているのです。
新年を迎えるにあたって、人々は様々な行事を執り行います。
大晦日に大掃除(すす払い)をして家の中を隅々まで清めることによって、新年には年神様からたくさんの福徳が与えられると信じていました。
そして、季節の変わり目には邪気が生じるとされていたので、節分には豆まきをして1年で溜まった邪気(鬼)を追い払い、幸運(福)を招き入れるということが、悪霊ばらいの行事として執り行われています。
今日ご紹介する絵本『せつぶんのおに』は、「鬼は外、福は内」という掛け声の由来を説くお話になっています。
あらすじ
村でも評判の器量よしの娘がおったそうな。
その娘の両親は娘に村一番の立派な男をむこに迎えたいと考えていた。
その条件に無理難題を掲げたがために鬼が娘をさらいに来ることになってしまった。
さらわれた娘はどうなってしまうのか?
そこに立ち上がる一人の男。
男はどんな手を使って娘を取り戻すのでしょうか?
そして、さらわれた娘を無事に連れ帰ることはできるのか?
感 想
絵本は「かけ声の由来」はもちろん、娘のことを大事に思っている男に気づくことができる内容になっています。
ただ、男の気持ちだけでなく、娘の気持ちも大切なのにそこには一切触れないだーっていう複雑な気持ちが湧いてしまいました(笑)。
あと、難しい条件をつけて結婚相手を選ぶなんて愚かだなぁ~とか、条件に振り回されて行き遅れるか、その条件以外が最悪の人に出会ってしまうか、どちらにしても条件ばかりにこだわっていたら、ろくなことにならないのになぁ~とか(笑)。
子供の絵本にやたら現実的な感想ばかり考えてしまう私ですが、子供の感想は「男が鬼と娘を取り合うシーンが面白い」とか「かけ声の由来がわかって面白い」など、いたってシンプルでした。
微笑ましい限りです。
あっ、もちろん私も「かけ声の由来」がわかったのは、面白かったですよ(笑)。
おわりに
海外で育つ子供達にとって、日本の行事はあまり身近なものではありません。
そのため、日本への一時帰国がその行事と重なった時は、とても貴重な滞在期間となります。
事前に絵本などで日本の大きな行事について少し知っていると、その貴重な滞在期間を存分に楽しむことができます。
幸いにも今までに2度ほど節分の時に日本にいたことがあるので、子供達は「鬼は外、福は内」のかけ声とともに豆まきをして、その豆を年の数だけ食べるという楽しさを体で覚えています。
近所のショッピングセンターでやっていたお菓子投げのイベントにも参加したことがあるので、忘れない行事の一つです(笑)。
そして、また今は日本に帰れない時期が続いていますが、『せつぶんのおに』など日本の行事に関する絵本を読むことで、鮮やかに当時のことを思い出しています。
子供達は「鬼は外、福は内」のかけ声の由来を知って、ますます節分の行事が印象に残ったようです。
親としては絵本と思い出の両方を楽しんでくれて、とても嬉しいです。
私自身、この物語でかけ声の由来を知りました。
海外にいながら自分も知らなかった日本のことを新たに学ぶことができるのは、読み聞かせの醍醐味ですね。
みなさんも、お子さんと一緒にぜひ読書タイムを楽しんでください。
それでは、また!!